2014年9月16日に行われた、なりわい訴訟の第8回口頭弁論の
法廷において
「吉田調書」を熟読された潮見裁判長ご自身が
1991年に起きた
日本の原発事故の中でも
トップクラスの重大事故について言及されました。
その事故とは腐食した配管から海水が漏れ出して
非常用電源が水没してしまったというもの。
非常用とはいえ電源が水につかるという事故を
フクイチが実際に経験していたとは驚きです。
原発は、
電源喪失
⇒冷却停止
⇒30分でメルトダウンとなるわけですから、国と東電がこの水没事故
にどのように対応したかはとても重要な問題ですが、
これが2011年3月の事故に直結する
大問題であることを、2014年9月16日の法廷において
潮見裁判長ご自身が指摘されたわけです。
・・・ってすごいことです。
弁護団でさえ指摘していない問題点を
裁判長ご自身が見つけ出し指摘し
そして
91年の水没事故に対する国や東電の
対応・対策を明らかにするよう要求。繰り返します。
弁護団でさえ指摘していない問題点を
裁判長ご自身が見つけ出し、指摘し、
当時の対応・対策を明らかにするよう
要求されたのです!潮見直之裁判長。
こういう方をプロフェッショナルと
いうのだと思いました。
裁判長には原告の味方になってほしいなどとは思いません。
裁判官なのだから、
公正であってくれればいい。
良識を備えてくれていればいい。
ただ
誠実なプロフェッショナルであってくれればいい。
潮見裁判長は、まさにそういう方だと感じます。
過去の原発関連の裁判を振り返ってみると
公正でも良識的でも誠実でもプロフェッショナルでもない
裁判官がいかに多いことか・・・。
原発にとって<冷却>がいかに大切なことなのか
それをわかっていない裁判長が
この地震国日本に原発を50基以上も設置させるという
異常事態を招きました。
原発にとって<冷却>がいかに大切なことなのか
裁判長はそれを知っている必要がありました。
少なくとも、裁判の過程でそれを学ばなくてはなりませんでした。
原発にとって<冷却>がいかに大切なことなのか
今も今までも教えていないけれど、
本当は、理科の時間の1割くらいを使って
教えなければならない程の重大事項です。
日本人全員の死活問題に直結する問題なのですから。
というか、ただ冷やせなくなっただけで
数千万人が被ばくしてしまう
発電装置を作ったこと自体が狂いすぎ。
冷却できなくなれば原発はいとも簡単に制御不能になるとわかる動画
↓↓↓↓↓
全国商工新聞 2014年9月29日掲載の記事も転載します。
↓↓↓↓↓
福島原発生業訴訟第8回口頭弁論
電源喪失原因解明へ
裁判所「吉田調書」に関心示す
全国商工新聞 2014年9月29日
東京電力福島第一原発事故の被害者訳4000人が、
国と東電を相手に原状回復と慰謝料を求めている
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟
(生業訴訟、中島孝原告団長)の
第8回口頭弁論が9月16日、
福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれました。
潮見裁判長は、政府の事故調査検討委員会が
故・吉田昌郎元所長からの聴取記録(吉田調書)
で明らかになった91年の非常用発電機の水没事故
について言及。
「裁判所として注目し、関心を持っている」
とし、事故の事実関係や、国や東電の対応などについて
明らかにするよう求めました。
■91年に水没事故
吉田調書で明らかになったのは、
91年10月に起きた海水配管の腐食による
非常用電源の水没事故。
吉田氏は調書の中で
「冷却系統はほとんど死んでしまって
DG(非常用ディーゼル発電機)も水につかって
動かなかった」
「今回(福島第一原発事故)のものを別にすれば、日本の
トラブルの1、2を争う危険なトラブル」
とし、
「あの時に私はものすごく水の怖さが分りました」
と、水没による電源喪失の危険性を指摘しています。
生業裁判でも最大の争点になっているのが、
津波による電源喪失。
それを国や東電が予見し、そのための対策や権限を
行使していたのか、どうかです。
潮見裁判長は、91年の水没事故に対する国や東電の
対応・対策を明らかにするよう要求しました。
また、事故から15年後の06年に改正された
「多重性」「多様性」「独立性」
を新たな要件とした技術基準省令への影響についても
明らかにするように求め
「この点について裁判所は注目し、関心をもっている」
と発言。
国と東電の過失責任との関わりで、吉田調書が
明らかにした水没事故について強い関心を示しました。
■提出拒否に苦言
この日の弁論で原告側は、裁判所も求めていた津波の
試算データの提出を拒否している東電が、
そのデータを前提に主張していることを強く批判。
「主張をしながら証拠を出さないのは無責任な反論」
とし、準備書面の撤回を求めました。
東電側はその場でまともに答えられず
「書簡で回答する」
と応じると法廷内からは失笑が。
さらに潮見裁判長は、原告側の求める損害賠償について、
東電が「健康被害をもたらすまでとはいえない」
と主張していることに関連し、
「受忍限度(これ以下は我慢せよ)があるということか」
と問いかけた上、
「受忍限度といえる低線量被ばくの数値はどれくらいか」
明らかにするよう求めました。
原告側が求めていた被害立証のための原告の本人尋問、
専門家の証人尋問、
裁判所による「検証」(東電検証)
の実施については、
双方の主張不足を理由に判断を見送り、
「それを明らかにした上で」
本人尋問や専門家の証人尋問を実施する考えを示しました。
裁判では猪苗代町で林業を営む●●さんが意見陳述。
「事故がなければごく普通に林業をできていた。
国や東電は責任をもって林業を続けられるようにしてほしい」
と訴えました。
◇ ◇ ◇
馬奈木巌太郎弁護団事務局長の話
吉田調書で明らかになった91年の事故に裁判長が
言及したのは、国や東電の過失責任解明に
積極的であることをうかがわせる。
争点の整理をより尽くしたいということで
本人尋問や「検証」は延期されたが、裁判所が
後ろ向きということではない。
争点整理を踏まえて事案を解明したいという
積極的な姿勢として評価できる。
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