
都司 嘉宣(つじ よしのぶ)先生♪
研究分野は津波、歴史地震学、津波検知、高潮。
産経新聞連載『温故地震』での過去の被害地震解説や
NHKの<そなえる防災>の執筆などでも有名な
地震・津波研究の第一人者。
その都司先生が、なりわい訴訟で専門家証人として
証言くださいました。
2002年の段階で
事故予防措置をとることは
可能だった。つまり、東電福島原発事故は、
事故予防措置をとらなかった東電による
人災だったということです。
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福島原発、津波予測は「可能だった」 元政府調査委メンバー証言
2015年 07月 21日 19:45 JST [福島市 21日 ロイター] - 東京電力(9501.T)福島第1原発事故をめぐって
福島県の住民らが国と東電に損害賠償を求めている訴訟の
第13回口頭弁論が21日、福島地裁(金澤秀樹裁判長)で開かれた。
原告側証人として出廷した都司嘉宣・元東大地震研究所准教授は、
福島第1に到来しうる津波の浸水高について、事故の9年前には
「(シミュレーションは)可能だった」と述べ、事前の対策は実施できた
との見解を示した。
同訴訟は約4000人の原告が参加しており、福島原発事故関連では
最大規模。原告側は事故原因となった大津波襲来が予想可能だったとして、
国と東電の過失の有無を争点に、放射線量レベルを原発事故以前に戻すこと、
できない場合に1人当たり月5万円の慰謝料の支払いなどを求めている。
被告の国・東電側は福島第1原発への大津波は予想できなかったと主張している。
都司氏は、国の「地震調査研究推進本部地震調査委員会」が2002年7月に
「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」を策定した際、
委員として参加した。
同評価では「三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄り」の海域で
マグニチュード8.2前後の「津波地震」
(揺れに比べて津波の規模が大きな地震)が起きるなどと予想している。
口頭弁論で裁判官が「福島第1原発に到来し得る津波の浸水高の
シミュレーショは、2002年の長期評価が出た直後に可能だったか」
と質問したところ、都司氏は「可能だった」と述べた。
さらに、「事故以前に福島第1原発の敷地の高さを越える津波を伴う
地震発生を予見できたという考えか」との被告代理人からの質問に対し、
都司氏は「そうだ」と答えた。
(浜田健太郎 編集:北松克朗)
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2011年3月11日、津波にのまれて電源喪失し、
未曾有の事故に至ったとされる福島第一原発ですが、
2002年の段階で
事故予防措置をとることは
可能だった
という専門家証言がでたわけです。これは素晴らしいことです・・・
・・・と自分で書きながら複雑な気持ちになってきました。
東電は、事故は予測不能の<津波>によって引き起こされたとしており、
それを覆すために専門家に証言してもらったわけで、
これはこれで重大証言、原告の主張が正しいと
証明されるので良いことなのですが、
原発は、津波がこなくても地震の衝撃で
壊れるものであることが軽視されるのではないかという
不安がわいてきました。
広瀬隆さんの著書や
平井憲夫さんの手記を読み、
原発内部の配管がいかに複雑怪奇なものなのかという
写真を見たことがあれば、
原発は地震の衝撃で壊れるのは当然だと認識できるはずです。
311当日にフクイチで働いていた方に直接うかがった話。
地震の直後から、原発からは蒸気が噴出し始めた、と。
都司先生の証言が、
原発は<津波対策をすれば稼動OK>なんてことに
すり換えられないように
心しておかなくては、と思います。
津波対策をとらなかった東電には過失があります。
責任を取る必要があります。
なお、原発は、津波が来ても来なくても、
地震の揺れによって壊れます。
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